最近は非常に早期リタイア・セミリタイア・FIREへの注目が集まっています。
特に、20代や30代前半のアラサー世代に強く響いている印象があります。
どうして40代・50代より若者にFIREが響くのか考えてみました。
20代・30代がFIREに興味を抱く3つの理由
20代〜30代前半のアラサー世代の若者がFIREに興味を抱く理由は大きく3つあると思います。
①若者はすでに終身雇用のサラリーマンに期待をしていない
今の若者は、例えちゃんとした会社に就職したとしても、リストラにあうかもしれないし、パワハラにあうかもしれないし、希望しない転勤があるかもしれないし、全然安心はできません。
彼らにとっては、「サラリーマン=安定」ではないのです。
だから今の生活を送ることができる経済的な保証さえ確保できれば、FIREをすることも、サラリーマンでいることと大きく変わらなく感じるのではないかと思います。
②若者は大きなお金を使わない生活に適応している
若者だってブランド物も買えるなら欲しいし、車や時計も持てるなら所有したいし、旅行にだって行きたい、という気持ちはあるはずです。
ただ、そんなに自由に使えるお金もない中で、同世代の人たち同士で「どれだけ高いものを持っているか」「どれだけお金を使ったか」で競い合わないようにしているのです。
「大きなお金を使わないで過ごすで良いんだ」と、自分の価値観を現代の社会に適応させているように思います。
だからこそ、資産形成のために節約をしたり、生活費を下げてリタイアのハードルを下げることにも、そこまで抵抗なく受け入れられるのかなと思います。
③若者は経済的なリスク以外を想像しにくい
そして一番大きな要素ではないかと思うのが、FIREのリスクに対する捉え方です。
FIREのリスクとして誰もが考えるのは、経済的なリスクです。
想定していたよりも支出が大きくなってしまって、資産が減ってしまったりしないかということは、どうしても不安になってしまいます。
しかし、それ以外にもFIRE後の生活には、他にも想定外のことが起きるリスクはあります。
例えば、病気になるリスクです。
働けなくなるような病気になるかもしれません。
あるいは家族が病気になるかもしれません。
30代後半、40代にもなると、自分自身の体調の変化や身近な人たちの話が耳に入ってくるようになり、病気になることは「万が一」ってわけでもないと思うようになります。
ただ20代〜30代前半の若者には、そういう想像がしにくいんじゃないかと思います。
他にも、親の介護、子どもが増える、配偶者が仕事を辞める、など人生には色々と起きる可能性があります。
若者にはピンと来なくても、歳をとるとそういうことがFIREの後ろに見えてくるようになります。
若者は良い意味で想像力が偏っているからこそ、思い切ってFIREを目指すことに踏み出せるんだと思います。
FIREのリスクとどう向き合うか
リスクのことを若者よりも考えてしまう30代後半以降のサラリーマンが、FIREを目指す上でどうリスクと向き合えば良いでしょうか。
どんなに事前に考えたとしても、想定外のことというのは起きるものです。
ただ、準備をしておくに越したことはないでしょう。
以下のようなことを考えておくと良いのではないかと思います。
- しっかりと資産を築く
- 配偶者の収入も含めた、複数の収入が得られる方法を確保する
- うまくいかなかったらFIRE生活を途中で諦めることも考えておく
しっかりと資産を築いておくのは言うまでもありません。
さらに、FIRE後の収入源が1つだけにならないように分散させておきたいところです。
アルバイトをする場合であっても、1つのジャンルのアルバイトしかできないよりも、色々な仕事をすることが可能というだけでも、想定外の事態を乗り切りやすくなります。
自分だけではなく、配偶者の収入もあるとさらに安心です。
それでも想定外のことでFIRE生活が維持できなくなれば、FIRE生活を諦めて再びサラリーマン生活に戻ることも考えておきます。
もちろん、その場合にはFIREせずに働いていた場合よりも生活水準は下がりますが、それも受け入れる必要があります。
反対に、FIREはリスクばかりではありません。
時間に余裕が生まれるため、ストレスが減り、運動する時間も増え、病気になるリスクを減らすことができるかもしれません。
収入が少なくても、より幸福を感じやすい思考が身についているかもしれません。
若者の良い意味で「なんとかなるんじゃないか」と思えるポジティブさを見習って、FIREを目指していきましょう。
特に「医師免許」という武器を持っている医師にとっては、リスクをそこまで恐れる必要もないのかもしれません。
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